(株)アネ゙デパミ゙のブログ

くだらないことをさらにくだらなく

ブラック企業を辞めた友達の話

営利企業であれば、どのような業種であれ、利益の追求をしなければならない。

確かに、「常に全ては社会の為に」と言った崇高な理想や信念を持った立派な社会人もいるだろう。

しかしながら、どれだけ高貴な精神を持っていたとしても、利益が出なければまるでおまんまの食い上げである。企業だってボランティアではないのだ。

私達の給与から始まり、その理想を叶えるための投資、諸々の諸経費に至るまで、全ては利益あっての事である。

もちろん、利益偏重主義は時として思わぬ所で反感を食らうこともある。ある損害保険会社が、顧客を置き去りにした利益偏重主義的企業体質の是正を指示された事は記憶に新しい。

そのような体質改善を図ったものとして、「企業の社会的責任(CSR)」という考え方が生まれたことももちろん事実である。

しかしながら、これもまた本質ではない。企業が資本主義という大きな枠組みの中にいる以上、利益を出す以上の使命は企業に与えられていないはずだ。そう、資本主義の枠組みにいる限りは...

 

【補填その1:愚痴】

「そんなん新人が考えることじゃ無いやろ。」大学時代の友人である村尾は、そう言って大ジョッキを一気に飲み干した。

「そうなんだけどさ。うちの上司は営業営業って感じでさ。」小森もお猪口を煽る。

「何や、なんか疲れてるな。大丈夫か。」

「まあ何とかやってるよ。」

 

村尾は小森の大学時代の友人で、彼と同じく教育サービスの仕事に就いている。勉強大好き、テニス大好き。この二つのためなら死んでもいいという頭のおかしい奴だ。よく寝袋で大学のテニスコートに泊まっていたことを懐かしく思い出す。

小森と村尾は、学科こそ同じだが、専攻やサークルや趣味も違うし、接点など判別式Dに負の符号が付くほど皆無に等しかった。そんな小森と村尾を結びつけたのはラーメンだった。ラーメンと言っても、ただのラーメンではなく、いわゆる「二郎系」というやつだ。

 

「村っち、本当に二郎系好きだよな。」

「二郎は俺の人生やからな。この前は難波は『のスた』の全メニュー制覇してきた。」

「どこで最初ハマったんだっけ?」

「品川の二郎やったっけ?その時お前と初めて会ったんやったよな。まさか同じ大学とは思わへんかったけど。」

「あれから色々行ったよな。お前がいきなり『一緒に歴史を刻まないか?』って連絡くれた時なんか、遂に頭おかしくなったんじゃないかって思ったもん。」

「ええやん!美味しかったんやし!そんなんより、まだ話の途中やで。ちゃんと書きたいし、もっと話してよ。」

「まあせやな、俺が頼んだんだし、話を続けようか。あの飲み会の後、ちょっと面倒なことになったんだよ。ていうのはさ...」

 

頭が痛い。完全に飲みすぎたようだ。何なら、村尾と昨日飲んだ高崎からどうやって帰ったのか分からない。

まあいいか、今日は休みを貰っている。もう少し寝ようか...

そうして布団に深く潜り込んだと同時に、彼の社用携帯金切り声を上げた。